2016年12月24日土曜日

ラストピア こまかな考察【13話まで】


『ラストピア』には、様々な謎が隠されており、それはどれも興味深いものばかりです。
ここからは『ラストピア』に残された様々な謎を、私が勝手に考察したものになります。
鵜呑みにしてもいいし、しなくてもいい。


※注意!

この記事は考察記事なのでネタバレなどはじゃんじゃん含んでます。ネタバレ知りたくないけどレビューは気になる、という方は他のひとの感想記事を参考にしてください。

また「このストーリーにそんな重みのある事考えなくてよくない?普通に日常を見てればそれでいいんだよ」といった考えの方で興味の無い方はブラウザバックしていただいてかまいません。この記事、想像の部分がかなり強いです。


主に十二話までの内容より記しています。十三話以降の内容は追記形式となります。
(初稿 2016年12月24日)





  • 記憶が消える現象の原因
  • ユーの正体
  • リッタの記憶と『ライア・ロンネ』
  • 第一話扉絵の人物
  • 時系列まとめ
  • 「最後の楽園は、記憶の中にあります。」
  • リッタの性別はどっち?他登場人物の性別
  • 考察したいが材料がない点

  • 記憶が消える現象の原因

エオニオ島(のホテル?)で確認される、記憶が消える現象。
ホテルに訪れたリッタは、この記憶を戻すために奔走したりしていた。

また、記憶が消えてるのはホテルのオーナーのエミも同じ模様。さらには家出してホテルに迷い込んだお嬢様のカリンも同じ現象にかかったとリッタは見抜いた。

島の謎を追い大陸からやってきた記者さんは「えっ何!?そんな噂もあるの!?」と、事前から聞きつけていた『オカルトな噂』には関係ないといった様子を示し、
昔から島に住んでいる雑貨屋さんは「多いみたいねぇ 聞くようになったのはここ数年のことだけど 私自身はなんともないからよく分からないのよね」と、自分は関わってないといった様子を示した。


果たして、記憶が消える現象の原因は何なのか。
六話にてリッタは「記憶喪失の原因はかなり近場にあるんじゃないか」「あの時記憶を失くしてたとしたら ホテル内で起きたってことだもんな」と、ホテル内で起きてるんじゃないかと考え、ホテル内の捜索を専念した。

記憶が消えたとされているのは現時点でリッタ、エミ、カリンの三人。
エミはまだ判明してないが、リッタはホテルに訪れた後に廊下で、カリンはホテルで遊んでる最中に記憶が消されている。
エミは「んー 穴がちょこちょこあるの」、カリンは「何かつらいことがあった気がしたのだけれど 思い出せないもの」と二人は一部的に消されているものの、リッタは自分のことは名前すらも思い出せずに全て消されていた。

リッタが言う「ホテル内で起きている」ことは多分間違いないだろう。では、一体ホテルの何が関与しているのか?
それは、カリンが記憶を消されたときに最も近くにいた人物、『マノ』ではないだろうか。カリンが記憶を消された原因を考えると一番最初に浮かんでくるのがマノである。

マノは、幾らか前からホテルに住み込んでいるが、それ以前にどこで暮らして何をしていたのかは分かってなく、素性も不明であるので、何かしら関与がある可能性が考えられる。接触した相手の記憶を消す能力だとか、都合の良いことはいくらでも考えられる。

マノが接触した人物は、リッタ、エミ、カリン、雑貨屋さん、メア、アンナ(、シャルカ)。そのうち前の三人が消されている。記憶を消された三人の共通点といえば……?

二話ではお医者さんが「失った記憶が幸せなものとは限らない」、第五話ではカリンは「つらいことがあった気がした」と発言している。
また六話でエミさんは昔家族と共に暮らしてたと分かったが、その家族は今一体どこで何をしているのかは分かっていない。
エミさんも昔悲しいことがあって、ホテルに一人残されたのではないだろうか。

それを後付けるようになるが、エミは昔家族と暮らしていたと知った感動からか泣き出してしまう。それを見たマノはエミが悲しんでいると思い「エミ泣いてる 悲しいの? 誰のせい?」と、リッタも怖がるような形相で怒っていた。

ここから考え出される説は、『マノは対象相手にとって嫌な・悲しい記憶を消す能力』でも持ってるんじゃないかと考えられる。マノが接触した人物の雑貨屋さんとメアは嫌な記憶がなさそう(失礼)なので、リッタ、エミ、カリンだけが記憶を消されたのだ。

マノは接触した人物の嫌な記憶を見つけ、それを消す。
もしこの説が当てはまっていたら、一話にてリッタが突然記憶を消されたのも示しがつく。
たまたま別の目的を持ったリッタが記憶を消されてしまったと考えられるが、多大なる逃れたい記憶から逃げ出してきたリッタが意図的にマノの能力を使ったとも考えられる。

しかし雑貨屋さんが言うには、マノはエミが記憶を消されてしばらく経った後にホテルに訪れたようである。なのでエミの記憶が消えた原因であることは確認しづらい。


この説は、現在考えられる理由の一つであるので、この説が当たってるとは言わない。今後の展開によって新たな説が見えるかもしれないので、今後も注目である。


十三話より、お医者さん…もといミレが以前は記憶喪失であったことが明らかになった。しかも二話で「記憶を取り戻した人の例もある」と自分で言ってた通り、なんと記憶を取り戻していた。
ミレが失った記憶は、ミレの『助手兼親友』として共にこの島にやってきたフィマについて。余命がわずかなフィマと共にこの島にやってきて、フィマが亡くなった時までのフィマに関する記憶が失われていた(因みにエミもフィマに関する記憶が消されており、その状態は現在も続いている)。
記憶が戻るまでは開く予定だった診療所を開いてぼんやりとした日々を過ごしていたが、「ある日本当に突然思いだした」ように記憶が戻っていた。

今回の話により、それぞれの失われた記憶は嫌な・悲しいものという傾向である事が推察できる。この点だけは確定してもいいだろう。
またマノについてだが、7ページのフィマの「マノちゃんが好きなんだって」という発言より、ミレとフィマがこの島に訪れた時にはもうマノがホテルに住み着いていたことがわかる。つまり、ミレが記憶喪失した原因にマノが関わっている可能性は十二分にあるのだ。

しかし、何故突然記憶が戻ったのかが判明されていない。また、何故エミまでもがフィマに関する記憶を消されているのかもわかっていない。

これはあくまで可能性の一つであるが、今後とも失われた記憶についてやマノに注目していきたい。


  • ユーの正体

ラストピアにて、唯一非現実的な存在である幽霊のユー。陽気でどこか抜けた性格のように見えて、実際はしっかり者でネガティブな面もある。
ホテルに住み着いていて、様々な謎を抱えている存在である。


現在わかっている事実を挙げると、

・壁をすり抜けられるが、少しは物体に干渉することができる
・十年前以降に現在の姿になった
・地縛霊ではないが、ホテルに住み着いている

この3点が明確になっている。
最初のは幽霊としての特徴と言えるが、下2つは何故、どのようにしてそうなったかという理由が存在するだろう。
そこで、作中から読み取れる様々な点から、ユーの前世や知っていることを考察していく。

三話にて、ユーが「リッタにまだ居て欲しいってエミは本心から言ってると思うよ あの子寂しがり屋だから」と昔からエミを見てきたかのような発言が読み取れる。
またリッタ宛に送られてきた荷物の送り主が『ライア・ロンネ』というリッタの家族と思しき人物だったのを知ったユーは、リッタに「帰りたいんなら我慢することないよ」と言った。昨日と言ってる事が違うじゃんとリッタに指摘されたら「いやー家族がいるとなるとねそこはやっぱ大事よ」と返した。

六話にて、長年閉ざされていた部屋を開けたら家族写真が発見された事より、以前は家族と一緒に住んでいたことが判明したエミ。エミはそれを知った感動からか涙を零した。
ユーはこの部屋の鍵の位置を知っていたが、簡単には教えなかった。
エミが「言うのしぶってたのは 私が悲しむかもって思ったからなんじゃない?」とユーに尋ねたら、ユーは「ん…」と詰まった返事をした。


これより、ユーは「家族」を大事にする思考、エミを心から見守ってる姿勢があると見える。
ユーやエミの過去に何があったのか、考えられるとしたら、
幽霊化したユーがホテルに住み着いて、ホテルで過去に起こった事件を目の当たりにして何か未練を抱えながら現在を過ごしていると考えられる。
しかし、何故ホテルやエミに未練を抱えているのか、どうやったら成仏できるのかなどの問題が呈される。それを打破できる大きな説が「ユーはエミのおばあちゃんの幽霊ではないか」というものだ。

数年前にホテルで起きた事件よりおばあちゃんが亡くなり、ホテルやエミのことが気がかりでユーとして現世に現れた。そして現在へと至っているのではないだろうか。

この説はユーの様々な言動が当てはまっている。三話でのエミを昔から見てきたような発言や「家族がいるとなるとね そこはやっぱ大事よ」といった発言、四,六話でのホテルの内部構造に詳しいことについて、また六話でのエミに嫌な記憶を思い出させないようにしてた行動。

六話での「ん…」は、エミが言った「悲しむかも」と思うことであるには間違えないが、あの部屋で何か内乱が起きてそれを思い出してしまうのを防ぎたかったのかもしれない。

また、何故「おばあちゃん」であるのかには2つ理由がある。
1つは、おばあちゃんという年齢柄、近況で亡くなってしまった人物に一番近いという事、
そしてもう1つは、見つけた家族の写真にはエミと父、母、おばあちゃんと思しき人物の姿があったが、髪色がエミと母、父とおばあちゃんで異なるのだ。エミとユーの髪色は別のものであり、母ではないとしたら女性であるおばあちゃんのものではないだろうか(父の可能性もなくはないが)。

またおばあちゃんでないとしても、近親者じゃないかと疑える部分がある。それは一話3ページと二話2ページ(それぞれ単行本11ページと22ページ)でもエミとユーの自己紹介の仕草がそっくりだということだ。どちらも胸に右手を当てている。ただの当てはめに過ぎないかも知れないが、仕草が似るという事は家族なのかもしれない。


ただ、これはあくまでも深く考察した結果であり、実際はエミたちに全く脈がなくホテルに訪れた幽霊なのかもしれない。
否定理由を挙げるとしたら、その見た目の少女的若さや、九話での思春期具合など、おばあちゃんとしては年齢が低い感じがしなくもないのだ。


いずれにせよ、現在幽霊として存在しているのはエミやホテルと深く繋がりがあるからであるには間違えない。今後ともユーの動向に注目である。



  • リッタの記憶と『ライア・ロンネ』

エオニオ島にある小さなホテルの宿泊者として目覚めた主人公。自分の内にあった過去の記憶は消されており、「リッタ・ロンネ」という名前が残されていた。

何故この島に訪れたかも分かっていない。エミによると、倒れる前までは会話するどころか目も合わせてくれなかったらしい。

二話のミレの話によると、この島で起きている記憶が消える現象については、局所的な部分が消えていくケースが基本らしいが、リッタのように丸ごと記憶を消されているのは珍しいらしい。
さきほどの項目で「失われた記憶は嫌な・悲しいものだという傾向である」という点を出したが、リッタもこのケースだった場合、「今まで過ごしてきた出来事すべて」がそういう傾向であったことになるが、実際のところどうなのかはまだつかめていない。

記憶を戻すことに関してリッタ自身は、話数が進むに連れて表向きに立ち向かおうという姿勢がうかがえる。
リッタの記憶に関連する出来事やそれを見た際のリッタの「思い」など、今後とも注目である。


またリッタの記憶について、語らずにはいられない存在がある。それは『ライア・ロンネ』だ。
三話より、大陸からリッタ宛に荷物が届いており、中には着替えや生活雑貨、お金が入っていた。その荷物の送り主が『ライア・ロンネ』という人物である。名前からして家族かなとリッタは考えた。

八話より、大陸から再びリッタ宛に荷物が届いており、中には水着が入っていた。送り主の目的に困惑しながらもそれを着た。この荷物の送り主は誰だか分かっていない。三話より『ライア・ロンネ』じゃないかと推察できるが、そうでない可能性もある。

十一話より、「あの部屋」から発見された宿帳には、リッタとライアと他2人の名が、ロンネという姓を冠して載っていた。
--リッタ「並び的に上2人が両親かな?『ライア』さんはきょうだい…?」
とリッタは考える。名前の並び順は--、--、リッタ、ライアであり。少なくともリッタとは血縁関係があることが示された。

以上より、このライア・ロンネという人物はリッタの記憶に関する何か重要な手がかりを持っているに違いないだろうと推察できる。


現在判明している情報は他にはなく、姿や顔はともかく、台詞すら用意されていない。上記の情報により考えられる点は、
・大陸に住んでいる…?
・リッタのきょうだいである
の2点だけである。

大陸に住んでいて、何故荷物を送ってきたのか。また記憶がなくなる前のリッタをどの程度知っているのか、リッタが現在記憶を失っている事は知っているのか、等々様々な点が不明であるが、後述の項目より考察できる点があるのでそちらを見ていただきたい。



  • 第一話扉絵の人物



一話の扉絵。リッタが記憶喪失になり始めて目覚める前に見ていた「夢」であるだろうが、如何にも謎が深いものである。

その後一話12ページの最後に、リッタが記憶喪失になってから始めて一晩を過ごす時にも夢を見た。

「なんだか懐かしい感触…」
「ちょっとだけ良い夢を見たような気がした」
この夢が一話扉絵と同じ内容ならば、ひとまず右の人物は作中のリッタであると確定してもいいだろう。

また単行本一巻の書き下ろしより、エミが倒れているリッタに声をかけていたが、その時
「誰かを呼んでる声 誰のことだろう?ボクじゃないよな」「じゃあまだ目覚めなくていいよな」「もう少し 夢の続きを」とのリッタの思いが現された。


ここでの考察点は、何と言っても左側の人物は誰なのかという事だ。
この人物、このページ(と一話12ページのラスト)にしか登場せず、全く素性が分かっていない。残されているのはこの外見とこれらの発言だけである。
その発言も、

---ちゃん」

 
---ちゃんは泣き虫ね」


「またえるよ--しよう
そしたら
---…」

といったあやふやなものである。
おそらくリッタの名を呼んでいるのだが、あえて伏せていることには色んな意味があるのかもしれない。

また背景の花畑については、まだ確証は持てないが、十話でエミが言っていた「けっこうおっきなお花畑」が該当するだろう。
十話、十一話にて、過去にリッタたちロンネ家がエオニオ島に訪れていた事が判明されたが、その際にリッタがその花畑に訪れた、と考えるのが一番納得がつくものである。

一話12ページでリッタが「なんだか懐かしい感触…」と発言していたこともあり、つまるところ、この夢はリッタが過去に体験したものであるだろう。
リッタは過去にその花畑でこの人物と出会い、何か重要な事を交わした。と、そのように捉えるのが感覚的に納得がいくのではないだろうか。

そこで改めてこの人物の正体について考察していく。
その容姿からは既存キャラからは当てはまることができず、新キャラだろうかとも思うが、現時点で一番有力候補なのは上記で説明した「ライア・ロンネ」だ。

ライアである説が強い理由としては、ライアは「現時点で名前が判明されて素性もある程度明らかになってきたが、容姿や発言などが全くない」人物であり、判明していない点が扉絵の人物とは対称的であるからだ。
また10年前にエオニオ島に訪れた際に単純に近しい「きょうだい」という立場からリッタと一緒に花畑に行き、この会話を交わしたのだろうと考えることもできる。
そして、先述のユーの正体についても多少話したとおり、髪の色がリッタと同じように見える事からも血縁関係があるように考えられる。

しかし、会話の内容を考えると、恐らく「また会えるよ 約束しよう」と、再会の約束をしているのが一番考えられるか…?(思い込み)
その場合、そんな約束をしている人が大陸に残っているのは考えづらい。ましてや大陸に行く前にリッタと近しく住んでいた存在であると思われるのに、再会の約束なんてしないだろう。
つまり、会話の内容からは、扉絵の人物は10年前から島にいる人物である可能性が高い…?


ここからは挙げられる説を段階的に説明する。


①左の人物は「ライア・ロンネ」

ライアさんが大陸にいると読めるが、その場合「また-えるよ-- しよう」の内容が読めない。ロンネきょうだいはなにかしら島(花畑)に未練を抱えてたのかもしれないが、それならば「時期ではない」今(夏)に訪れるのはおかしい?
そして、何故リッタだけがエオニオ島に来たのか。

リッタが島に滞在する予定はいくらでも伸ばせるようには話していたっぽいが、消えたリッタの記憶については考察しがたい。


この説より、ロンネきょうだいが「記憶が消える存在を知らない」場合、安直だけど当てはまる説が浮上した。
具体的に説明すると複雑なので、ショートに説明すると、


--リッタが島へ行く前

リッタ「もうこの生活やだ!昔行ってた楽しい島にでも逃げてやる!」

ライア「あっ、ちょっと!」


--一話8ページ右3コマ目後

リッタ「…そうは言ったけど、用事はたんとあるし、2週間弱を目安に滞在かな…」


--一話

リッタ「記憶…なくした…」


--三話以前

ライア「リッタ帰ってこない…向こうでうまくやってるのかな…荷物でも送ってあげよう……」


--八話以前〜八話

ライア「うまくやってるんだろうね…夏だし、水着でも送ってあげよっか」

リッタ「なんで?なんで水着??」


リッタはライアと近しく過ごしており、リッタは苦しい日々に嫌気がさして、10年前に訪れた島へと逃亡したが、そこで記憶喪失になってしまう。ライアはそんな事はいざ知らず、リッタは島で普通に過ごしているのかと思い時々支援を送る。

この説が他と違って一番有力的である部分は、三話と八話で荷物が送られてきた事である。
三話で送られてきた荷物には着替え・生活雑貨・お金などが入っていた。
リッタの滞在予定もあって、エミは三日後の便で大陸に戻る予定だったのかなと推察するが、島に来てから8日、大陸に戻るまで3日という滞在予定後半に荷物を送られてきたことは、送り主のライアは大陸に戻る時期を知らなかったのかとも考えられる。
そして、八話で送られてきた荷物は送り主が明確にされてなかったり「なんで水着??」だったり謎に満ちているが、ライアが単純に「ゆっくりしていってね」というメッセージを込めて送ってきたものだったという説が一番納得できるものだからだ。

またこの説より裏付けられるのは、「記憶が消える存在を知らなかった」ということは、以前訪れた10年前には存在してなかったマノが記憶喪失の原因である説がさらに高くなっている事だ。

しかし、それを含めても「また-えるよ-- しよう」の内容が読めないのが難点である。些細な会話だったならそれはそれだが、一話の扉絵に登場するからには何か重大な意味を抱えている可能性が高い気がするのだが…


②左の人物は「リッタの母親」

上記で説明した通り、エオニオ島に訪れた際に一緒に花畑に行った人物として単純に近しい「きょうだい」、そして髪の色からリッタと血縁関係がある事を考えてから扉絵の人物はライアかという説を挙げたが、大陸から荷物が送られてきた事と扉絵の会話の内容が如何にも合致しなさそうなので候補としては複雑になった。
そこで、ライアではない場合は誰だろうと考えた時に、「リッタの母親」が候補として思い浮かんだ。

ライアが候補である説の理由として「エオニオ島に訪れた際に一緒に花畑に行った人物として単純に近しい「きょうだい」である」、「髪の色からリッタと血縁関係があるかもしれない」と言ったが、その理由条件が「リッタの母親」の場合でも当てはまるのだ。
更に、仮に島にリッタの母親(またはそれに関する何か)がいた場合、ライアが大陸に居て荷物を送ってくる事に何の矛盾も持たなくなる。

十三話では、ミレが失った記憶は亡くなったフィマに関するものだった。仮にもしリッタも同様に母親に関する悲しい記憶を失っているというケースだった場合、当てはまる可能性があるのだ。

この説に関しては、リッタの母親がどんな人物か何をしたかも分かっていないので謂わば妄想に過ぎないが、少しでも片隅に残しておくといいかもしれない。


③左の人物は全く別の人物

ライアがきちんと大陸におり、あの場で何かを交わした人物とリッタが再会するものだった場合、また一つ考えられる説である。
(扉絵の会話の内容を勝手に再会の約束だと解釈し、その場合ライアは大陸にいるんだなと思い込んだ私が最初に囚われていた説です。)

「また-えるよ --しよう」の内容を重点に置くと、この人物は島に残っていった可能性が高い。そうなると、ロンネ家がエオニオ島に訪れた時、何も事件が起きずに普通に帰っていったと考えると、この人物は素直にエオニオ島の住民であると考えられる。

そこで問題になってくるのが、リッタの滞在予定と八話で荷物が送られてきた事が噛み合わない点だ。この問題はどの説でも注目される事だが、ひょっとしたらライアはリッタが島に滞在し続けると事をある程度予想していたのかもしれない。

記憶が消えた以前のリッタとライアはエオニオ島の記憶喪失の現象の存在を知っており、ライアさんと事前に「記憶がなくなってたら滞在、記憶がなくなってなければ帰る」などと予定を立てていたのかも、などと予想ができる。

しかし記憶喪失の存在を知ってる・知らないにしても、扉絵の人物が全くの別の人物だった場合は10年前にどのように出会い、現在何をしているのかなどは全く予想がつかないので、この説の見解については今後の物語の展開次第である。


④リッタの正体は「ライア・ロンネ」であり、実際には左の人物が「リッタ・ロンネ」である

先程のライアについての項目より、発見された宿帳にはリッタ、ライアの名も含んだロンネという姓の一家の名が載っていた。名前の並び順は--、--、リッタ、ライアであった。
①より左側がライア、右側がリッタの説を挙げたが、その場合リッタの方がまだ幼いという事は明らかだ。
しかしこの宿帳に載っている順番はリッタ→ライアである。

筆跡は同じなので、恐らくエミの家族が書いたのだろう。
リッタの方が幼い場合は普通はライア→リッタの順で書くだろう。つまり、リッタの正体は実際はライアで、一話扉絵のライアと思しき人物は「リッタ」である可能性がある。
リッタがリッタの名を名乗っているのは、記憶が亡くなる前にオーナーさんに伝えた為。そこで、実際にはライアであるにも関わらず、リッタを名乗ったのかもしれない。

この説が正しい場合、本物のリッタはこの島にいて、一話扉絵で再会の約束をしているっぽい理由が頷ける。三話で大陸から送られてきた荷物は、島に行く前にライアが日指定で送ったものだとも読み取ることができる。

更に、単行本一巻の書き下ろしより、エミが倒れているリッタに声をかけていたが、その時
「誰かを呼んでる声 誰のことだろう?ボクじゃないよな」「じゃあまだ目覚めなくていいよな」「もう少し 夢の続きを」とのリッタの思いが現されている。
ただリッタが「夢」に集中したくて呼びかけに応えなかったのかもしれないが、実際に記憶が亡くなる前の名はライアだから「ボクじゃないよな」という反応を取ったのかと捉える事ができる。
とにかく、この発言によりこの説である可能性が更に広がったのだ。

しかし、そこまでして何故「リッタ」を名乗ったのかは予想ができない。エオニオ島に来た目的がリッタに会う為なら「リッタ」を名乗る必要はないし、或いはこの島で記憶が消える事件を詳しく知った上で自分が「リッタ」になりたかったのかもしれない。真実は未だ謎に隠されている。


  • 時系列まとめ
ここまで謎を考えてきた上で、ラストピアの登場人物やエオニオ島の過去について判明している情報をまとめた。(【】内は証明できる内容が載ったページ)

参考になるかは微妙ですが何かあれば使ったり指摘したりしてください。


  • 「最後の楽園は、記憶の中にあります。」
ラストピア単行本一巻の帯にある煽りのこの文章。一見この作品テーマの一つである「記憶喪失」について物語っているだけのものであるが、よく考えると疑問点が思い浮かんだので考察していくことにした。

「最後の楽園」…「ラストピア」を指すのは「エオニオ島に住んでいるリッタの現在」だと思っていたが、この文章から見るに、「思い出せない記憶」こそが楽園なのかと読み取れる。
エミの記憶はユーが探りを止めたがっているのを見て良いものではなさそうだったが、リッタの記憶についても決して良いものではないだろう。
強いて楽園と呼べる記憶を挙げるとしたら、一話で「懐かしい感触」として懐かしみ出した(?)「花畑」の記憶なのだろう。
記憶を失う前での「最後の楽園」だったのがあの花畑だったのか?
あれ以来のリッタは苦しい毎日を過ごしていたのかもしれない。

……と、考察点は少ないが、今後何かこれについて示唆できるものがあったら注目である。


  • リッタの性別はどっち?他登場人物の性別

随所で話題になっているリッタの性別。その全くの公表のなさに興味を持っている方は尽きないだろう。
リッタの性別というのは、様々な謎が隠されているこの作品において最も注目されていると言っても過言ではないだろう。
実際、そと先生によって描かれるキャラクターは中性的であり、一見では性別を区別できない事もあるだろう。(因みにそと先生本人も「ショタは癒し」などと発言をしており、好みの年代のキャラに合わせた絵柄になっているのかもしれない。)

そこで、「ラストピア」に登場するキャラクターの性別を調査していき、以下の結果を得た。


女性と確定してる人物

マノ:
キャラ紹介『不思議な幼女。』
ユー:
二話…ユー「こんな美少女の添い寝で怒る人がいるとは思わなくって…」
雑貨屋さん:
四話…マノ「教えてもらった ろりばーばってやつ」雑貨屋さん「ロリババアね って誰だんな事教えたの」
カリン:
五話…リッタ「けっこういいとこのお嬢様っぽいですけど」
十一話アンナ「ええ カリンは私の妹です」
同居人さん:
八話メア「一緒に住んでる娘と喧嘩しちゃって」
アンナ:
十一話カリン「お姉ちゃん!!」


確定はしてないが、身体的特徴より女性だと分かる人物

エミ
記者さん
メア
シャルカ
フィマ

外見からも性別が判別できない人物

リッタ
ミレ

以上より、リッタとミレ以外は女性であると判断できるが、リッタとミレの性別は未だ不明である。

特に重要なのがリッタ。記憶喪失でありながらも主人公であり、日常生活に関する様々な情報が一番提示される人物だと思われたが、このリッタ、性別に関する情報がとにかく無い。
いくら作中で性別に関する話題が無いにしても、細かな特徴や台詞より様々と露呈する点はあるはずだ。なのにこのリッタ、その情報がとにかく無い(重要)。

特に八話では扉絵から水着のエミやマノが紙面を飾り、リッタ宛に大陸から水着が送られ、とうとうリッタの水着姿が披露されるかと思いきやその姿はなんとパーカー。ここまで情報を遮断してるのは流石に意図的だとも思われた方も多いだろう。


この作品で一番話題になる「謎」であるリッタの性別だが、作中でほぼ確実に情報を握っている人物がいる。ホテルのオーナー、エミだ。
一話でリッタがホテルの廊下で倒れ、マノが発見してエミを呼んだ。その後リッタが目覚めた時、ベットの上で寝巻きに着替えさせられていた。
この寝巻きに着替えさせた人物は、当時のホテルの人物状況からして十中八九エミだろうと考えられる。

その後エミは、目覚めたリッタが海を眺めているのを見て

と水着を取り出した。

この水着、よく見なくとも女性用であると判る。
エミはリッタを寝巻きに着替えさせた上に、この水着を用意したのだ。
つまり、エミはリッタを女性だと見ているという事になるのだ。

だがしかし、仮にリッタが男だったとしても、エミが意図的に女性用の水着を着けさせたがったとかそういう趣味があるかもしれないし、また咄嗟に用意した水着がたまたま女性用でだったという可能性や、そと先生が「水着」だと分かりやすく見せるように女性用のものを書いたのかもしれない。

また、ただ水着を見せただけで「わーっっ いいですいいです」と全力で否定するリッタも怪しい。こんだけ恥ずかしがるのは、実際には女性ではないから……?

さらに、ラストピア単行本一巻の表紙を飾っている人物はエミとマノである。表紙だけ公開された時は、ホテルに戻ってきたリッタを出迎えている構図だと思われていたが、実際は裏表紙にリッタの姿があった。
まんがタイムKRコミックスはメインキャラに男性が入っている作品でも表紙には全然取り上げないとかそういう傾向にあるが、そういうわけで意図的に表紙から外されていると考えることもできるかもしれない……?

いずれにせよ、未だ確信的な情報は掴めていないので、今後のリッタの行動に注目である。


またお医者さん…もといミレについてだが、十三話で『助手兼親友』と語られたフィマが登場。ミレによれば「私にはずっと 私とフィマだけだった」らしく、二人の間に大きな関係があったのは間違いないだろう。
作中ではミレとフィマが過去にエオニオ島で過ごしたエピソードや、ミレが記憶喪失である最中のエピソード、またそれらをリッタに打ち明け、記憶を取り戻す事の大事さをリッタが再認識したといったものであり、今まで本名も公表されてなかったミレを中心とした物語だった。
しかし、そんなミレの情報が詰まった物語だったにも関わらず、性別に関する情報は一切確認ができなかった。お前もかよ!(歓喜)
ちなみにフィマはおそらく女性である。

但しリッタに比べてそこまで露骨に情報を隠しているわけでもないので、そこまで重要な問題ではない。今後新たな情報が提示されたらまた注目していく予定だ。



  • 考察したいが材料がない点

  • 二、四話より、「ヘリポート」
飛行円盤のような形をした謎のヘリポート。ヘリポート…?
数年前にできたらしいが、何故このようなものが出来たのかは何も分かってない。
まさしく「すごい!でもわけがわからないわ」である。

これ今更ながら記憶が消える現象にものっっっ凄くつながってそうだな……マノがホテルに訪れたのも数年前っぽいし……


  • 十話より、「洞窟」
マノが泳いで発見した、海からつながっている洞窟。
中では小さな虫が体を光らせながら壁に張り付いているため、思ったより暗くはないようである。
その光は星空や宝石のようにきれいであり、リッタたちは観光スポットの一つに加えようとしている。

一見ただの洞窟だけど、奥に何があるのかは分かっていない。
記者さんが言ってた噂や、雑貨屋さんがはぐらかした「昔はいろいろあった」事の一つに何か関係があるかもしれないが、それはもっと情報を巡らせなければ分からないことである。



  • あとがき
いかがだったでしょうか。
一番上の項目については4ヶ月前にまとめたものを付け足したものなので、他の項目と比べると文の構成の仕方が変ですがご了承ください。

いやあ……改めて考えを練ってみるといくらでも思い付けられます。感想にしてもそうなんですが、この作品は内容を文章で説明するのがかなり難しいと思うんですよ。今だってこんな書いている稚拙すぎるものが説明になってるのか全然自信がありません。この記事がわかりにくかった場合は、うん、自身できららミラクや単行本を読んで考察できる点をどんどん出していってほしいです。
というかこの作品を読んでいる方には是非自身の感想、考察を挙げていってもらいたいです。一ラストピアが好きな自分としては、様々な考えを見て自分の考えのもとにしたいですからね。

ここまでの閲覧、ありがとうございました。
書ききってなんですが、雑貨屋さんについてなど他にも書けることが全然あります。
そのうちまた更新する予定なんで、時間があればこっそり見たりしてくれると喜びますのでどうかよろしくお願いします~。

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